フランス■□ Chateau Climens □■ボルドー
シャトー クリマン |
|
● バルザックの第1級格付け、シャトー・クリマン..甘口貴腐ワインです。ですが、イケムに次ぐ定位置を確保しており、どの要素を取っても超一流です。
バルサック/ソーテルヌ地方で最も有名なブドウ園がシャトー・ディケムであることは疑う余地がない。このシャトーがつくる甘口の白ワインは、凝縮味と高価な点でフランス随一だ。しかし私が見たところ、料理に合い、複雑で、飲まずにいられない一番のワインは何かといえば、バルサックのシャトー・クリマンである。1971年以来クリマンを所有してきたリュルトン家は、ボルドーのかなりのシャトーを統括して一大帝国を築いた。ブラーヌ=カントナックやデュルフォール=ヴィヴァン、デミライユなどの有名なマルゴーのシャトーもそのうちに入る。こうしたシャトーはいずれもよいワインを生産しているが、それぞれのコミューンにおける地位は、クリマンがバルサックで得ているものとは比べものにならない。
ほとんどこの2世紀、クリマンはバルサックのコミューンの中で一、二を争うリーダー的存在と考えられてきた。29ha のブドウ畑と質素な一階建てのシャトーの建物(普通の家との違いは両側にスレートの屋根の塔が2つあるだけ)は、小さなラ・ピネッセ村のすぐ北の、海抜 21m はあるバルサック一高い丘にある。多くのオブザーバーによれば、この高さが畑の優れた排水に一役買い、雨季には下の方のシャトーより断然有利になるとのことだ。
この地のシャトー名のほとんどが以前の所有者に由来するが、クリマンがどうしてそういう名前になったのか、誰もはっきりとは分からない。19世紀の大半はラコスト家が所有し、シャトー・クリマン=ラコストと称するワインをつくっていた。その当時、28ha の畑で年間6000ケースが生産されていたが、19世紀末のフィロキセラのすさまじい害でボルドーのブドウ畑のほとんどがやられ、クリマンもその例外ではなかった。1871年にクリマンはアルフレッド・リベに買い取られた。彼はペグゾトというシャトーの所有者でもあったが、こちらの方はシャトー・シガラ・ラボーとして今日知られるシャトーに吸収された。
1885年にリベはこのシャトーをアンリ・グヌイユーに売却した。以来、彼の家族がクリマンの管理に当たっていたが、1971年に現在の所有者である精力的なルシアン・リュルトンが買い取った。だが、クリマンの品質だけでなく、この偉大なシャトーに対する一般の認識をも高めたのは、ボルドー一有名な日刊紙『シュド・ウエスト Sud-Ouest』の取締役でもあったアンリ・グヌイユーとその後継者たちである。1929年、1937年、1947年の伝説的なヴィンテージによって、クリマンは隣の大きなシャトー、クーテを凌(しの)ぐどころか、あの偉大なシャトー・ディケムと肩を並べることさえできたのである。
ブリジットとベレニスの2人のリュルトンは、この傑出したシャトーの並外れた評判を少し高めたにすぎない。彼らが変えたのは、砂利と赤砂、粘土のようなブドウ畑の土壌に植えられた少量のミュスカデルを取り除くことだけだった。現在の栽培では100%セミヨンだが、これによってシャトー・クリマンのテロワールから最良のワインが生まれると彼らは信じている。リュルトン家がソーヴィニョンを避けたのは、ソーヴィニョンは数年後にアロマを失いやすいからだ。ブドウの木は35年という驚くべき平均樹齢を保っている。リュルトンの考えでは、毎年わずか3%から4%の畑を植え替えるだけでいいという。さらに、1ha につき16hl の収穫量はバルサック/ソーテルヌ地方のシャトーのなかではファルグに次いで少ない。今日では、ワインを生産する大手のシャトーのほとんどが畑の収穫量を倍増しているが、感心なことにクリマンは、19世紀半ばの頃よりも0.7ha広い畑の年間生産量を平均3333ケースに保っている。この統計だけ見ても、ここで生産されたワインの凝縮味と品質がなぜ非凡であるかが分かる。
このシャトーのワインは樽で発酵され、55ガロン(約 208l)の樽で12ヵ月から18ヵ月間寝かされてから瓶詰めされる。大半のヴィンテージには新樽が33%使われる。そうすれば、蜜のようなパイナップルやアプリコットの果実の味わいと、ヴァニラのようなトーストしたような新樽の香りがさらによく結びつくと信じられている。
クリマンがなぜこれほど貴重かと言うと、この地方で最も魅力ある、エレガントなワインをつくっているからだ。純粋な力強さ、粘りけ、豊かさの点でクリマンはシャトー・ディケムはもちろん、シャトー・リューセック、シャトー・シュデュイロー、それにシャトー・クーテの贅沢で稀(まれ)な「キュヴェ・マダム」に匹敵しないのは確かだが、それでも、非凡なバランスとフィネスを物差しにワインの偉大さを測るなら、クリマンはほかに例のない、この地方で最も優雅を極めたワインという評判に値する。多くのソーテルヌが飽きられる瀬戸際にあるが、トップ・ヴィンテージのクリマンは、蜜のようなパイナップルの果実の豊かで甘美でエキゾチックな個性と、レモンのような酸味の際立った芯(しん)を兼ね合わせているようだ。それがこのワインに風味や味わいの精度、そして、虜(とりこ)になりそうなぐらい深くて喜ばしいブーケをもたらしている。
講談社 『BORDEAUX ボルドー 第3版』より抜粋
|
|
|

| ● 1998Chateau Climens |
| シャトー・クリマン |
|


|
【アドヴォケイトは (91-95)という評価です...】
クリマンの良さはエレガンスに有ります。しかもソーテルヌに求められるものを全て持った上で、比較さっぱりした..というか、すっきりしていて、トータルバランスに優れるんですね。99年からイケムも値下げをしましたが、それでもクリマンのコストパフォーマンスには適わないでしょう。2つのうちどちらが好きか、と聞くことが許される、数少ないソーテルヌ(バルザック)です。アドヴォケイトは(91-95)という評価ですが、レヴューは掲載されていません。
|
|
|
|
|